盲ろう者同士『通話』OK (読売新聞から転載)

読売新聞2013年9月26日(木曜日)朝刊 東京地方版から転載
(転載許諾済み)

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盲ろう者同士『通話』OK
  全盲の長谷川さん スマホアプリ開発



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(写真=タブレット端末で、「スマホ点字」を入力する長谷川さん)


 スマートフォンによる入力とヘッドホンの振動で、目が見えず、耳の聞こえない盲ろう者同士でも「通話」ができる――。
 視覚障害を持つ練馬区の元筑波大付属視覚障害特別支援学校教諭、長谷川貞夫さん(79)が技術者と協力し、そんなアプリを開発した。
 
 このアプリは、盲ろう者の偉人の名を取って「ヘレンケラースマホ」と名付けられた。
 送信側は、スマホの画面上で3回指を滑らせたり、タップ(軽くたたく)したりし、横2列、縦3段の点字を1文字ずつ入力する。
 受信側は、頭骨に直接振動を伝える市販の「骨伝導ヘッドホン」を使い、点字1文字を左右の振動などで表す「体表点字」で情報を得る。

 長谷川さんは、高校に入学した頃から視力が低下し、都立高校から現在の筑波大付属視覚特別支援学校に転学した。
 20歳までに全盲となったが、その後、母校で教壇に立ち、1995年春に退職するまでワープロやパソコンの使い方などを指導してきた。

 ITを活用すれば、盲ろう者の生活向上に貢献できるとの思いから、長谷川さんは70年代半ばから、体感で文字を読み取る仕組みなどに関心を持ってきた。
 体表点字は10年ほど前、スマホによる点字入力も2011年に、それぞれ考案した。
 長谷川さんによると、高齢になるほど指先の感覚が鈍くなって点字の読み取りが難しく、体表点字などが役に立つという。

 今回の開発には、世田谷区のシステムエンジニア武藤繁夫さん(47)が協力し、インターネット上に無料で公開し、盲ろう者によるテストを重ねて、さらに使いやすいアプリを目指している。

 盲ろう者は全国に2万人以上いるとみられ、長谷川さんは「情報から遮断されがちな盲ろうの人たちに、どうやってこの仕組みを伝えるかも大きな課題。多くの人に利用してほしい」と話している。

 アプリはスマホのアンドロイド端末で利用できる。

 問い合わせは長谷川さん (PBB00564@nifty.ne.jp)へ。

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