ヘレンケラーホン(盲ろう者用電話)もスマートフォン時代へ

 スマート点字は、スマートフォンの押しボタンのない画面で指を触れたところが点字式のボタンになってしまうという画期的な入力方法です。

 ですから、点字さえ知っていれば、健常者、視覚障害者、ヘレンケラー女史のような盲ろう者も含めて誰でもが文字入力ができるようになります。

 ちょうど1カ月前の11月1日と3日に開催されたサイトワールド2012の、社会福祉法人 桜雲会のブースで、このデモを行ないました。
http://www.sight-world.com/



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 また、このイベントでは、これまで、点字を指先でなく、振動子を用いて全身で点字を読む体表点字と、それを携帯電話に応用したヘレンケラーホンのデモを行なってきました。

- 盲ろう者の新しいコミュニケーションの形!ヘレンケラーホン
http://www.u-x3.jp/modules/tinyd108/index.php?id=43



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 それで、今は、携帯電話からスマートフォンへの移行時代です。
 そこで、このヘレンケラーホンも、スマート・ヘレンケラーホンへと改良を進めつつあります。
(長谷川貞夫、武藤繁夫)


- - - - - - - - - - - - -<転載>

毎日新聞ユニバ・リポート
スマート点字、フリック、タップ操作で簡単入力−−サイトワールドハイライト4
2012年11月16日


「最先端テクノロジー」についてはやや失望感の残った今年のサイトワールドだが、唯一異彩を放っていたのが社会福祉法人桜雲会の体表点字体験会で実演展示されたスマート点字だ=写真右。自身も全盲で同法人体表点字研究プロジェクト代表、日本Androidの会福祉部の長谷川貞夫さんとTM研究所フリーランスプログラマーの武藤繁夫さんが開発し、Google Playで無償公開しているAndroid4.0以降のスマホ対応アプリだ。

 点字入力は縦3点、横2点、左側が上から下に1・2・3、右側が同じく4・5・6となる6点の点字1文字を上、中、下に3分割して、スリーストロークで打ち込む仕組み。

 使用するジェスチャーは左右と下のフリック(素早く画面上をなぞる)、横2点分の空白を示すシングルタップ(画面上を軽くたたく)の四つだけ。たとえば左上段の点1個で表す「あ」の場合は左フリックのあと、中、下段のブランクをトントンとダブルタップすればオーケー。6点全部を使う「め」なら下フリックを3回、逆にスペースの場合はトントントンとトリプルタップだ。最大の特徴は、ディスプレー上ならどこでも入力が可能で、入力位置を意識することなく視覚障害者が点字を打てることだ。

 次に記者は、考案者である長谷川さん自身から指導を受けた6点漢字で自分の名前を打ち込んでみた。

 6点漢字は1文字が点字3セルで構成されている。「岩」は1セル目が「456の点」、2セル目が音読みの「がん」を表す「5の点」、3セル目が訓読みの「い」を表す「12の点」だ。「下」は1セル目が「56の点」、2セル目が「か」の16の点、3セル目が「下(した)」の「し」を表す1256の点だ。つまり、漢字1字を入力するのに9ストロークが必要となるわけだ。

 このスマート点字、速読や速記に適した長いつづりも短縮して表す2級英語点字にも対応しており、武藤さんの説明によると米国32%、日本26%、英国7%と英語圏での利用者が目立つという。ちなみにその他の言語ではポルトガル、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアにもユーザーがおり、昨年の12月6日に公開して以来、現在のダウンロード数は約2100件という。

「盲学校の生徒など若い視覚障害者ほど習得が早く、最短は5分です。スマホを生まれて初めて触ったというのに、です」と武藤さんは声を弾ませた。

 現在は「スマート点字IME」というIME版を公開しており、実用化に向けて準備中だ。

「これはソフトウエアキーボードのようなものです。たとえば晴眼者がメールやチャットなどを行うときに、画面の下半分に表示されるキーボードを見ながら文字を入力しますが、それに代わってスマート点字が現れる仕組みです。点字を入力し終えたら、上フリックすることで文字列がアプリ側の文字入力エリアに入ります」(武藤さん)

 さらに「視覚障害者が自由にスマホを使えるようなアプリを作りたい」という長谷川さんの願いに応えて「ボタンでホーム」=写真左=も試作、また「マクドナルドの商品メニューが分からない」という悩みに応えて「マクド注文ヘルパー」も試作し、ファストフード店舗などでの実用化を提案している。【岩下恭士】

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