ワイヤレス・ジャパンで「ヘレンケラーホン」と「IPPITSU(イッピツ)」のデモ展示

 国内最大のスマートフォンなどのモバイルと、ワイヤレスの専門イベントである『ワイヤレスジャパン2011』の「日本Androidの会福祉部」ブースで「ヘレンケラーホン」と「IPPITSU」(イッピツ:タッチパネル点字一筆式入力)の展示とデモを行ないました。




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 『ワイヤレスジャパン2011』 2011年5月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール



● 「ヘレンケラーホン」とは、ヘレンケラーのような盲ろう者が使う電話のことです。 この電話は、視覚・聴覚が不自由で、テレビ、ラジオ、パソコンの情報も得られず、また、障害年齢などにより、指で読む通常の点字による情報も得られない人のための電話です。 現在の、このICTの発達した社会で、通信で1文字も届かない人がいるのです。
 言わば、「情報の真空スポット」に住む人達です。 ヘレンケラーホンは、この人々の電話を可能にするものです。


・この電話は、体表点字という、ワイシャツのボタンほどの大きさの振動体を点字の1点とする点字による筆談の文字通信です。 体表点字には、1点式~6点式、多点式などがありますが、今は、主に2点式体表点字を用いています。


・ヘレンケラーホンの電話を可能にしている「体表点字」とヘレンケラーホンは、私と共同研究者の佐々木信之氏(筑波技術大学)、大墳聡氏(群馬工業高等専門学校)とが開発したものです。




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(参考)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/24670519/
http://ubq-brl.at.webry.info/theme/531d637496.html




●IPPTISU(タッチパネル点字一筆式入力)は、従来の携帯電話のような、押しボタンのないタッチパネルのスマートフォンや、タブレットコンピュータで、視覚障害者が、自由に文字入力できるようにした新しい方法です。 ところが、これは、簡単な点字さえ覚えてしまえば、視覚のある健常者、振動もあるから、視覚・聴覚がともに不自由な盲ろう者までが使えるユニバーサルデザインのものなのです。



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・視覚障害者が指先の触覚で分かる押しボタンがなくて、どうやって文字入力をするのでしょうか。 これは、聞いてしまえば、「コロンブスの卵」のような話です。


・通常の点字の1文字ずつは、最大6点までが入る「マス」で構成されています。 もし、スマートフォンの画面で点字を書けば、それは、すぐに通常の「あ・い・う・え・お・…」、「A,B,C,…」、「1,2,3,…」などと通常の文字に変換されます。 ですから、点字を書けば、それは通常の文字を書いたのと同じことになるのです。


それでは、このタッチパネルで、どのように点字を書くのでしょうか。 私は全盲ですが、このスマートフォンの枠が、はっきりと点字の1マスの枠に見えるのです。点字のマスの四隅のすぐ内側は、点字の上段と下段の4点に当たります。 後の中段の2点は、左右の枠の中間です。


・このような6点で、点を順に押せば、自分の書きたい点字の形になります。 しかし、どこまでの点を書きたい点字にするかの確定操作が必要です。 そこで、それを点字一筆式でもっと便利なものにしました。


・点字は、6点で、手書きの点字器で1点ずつ書くか、点字タイプライターで、それぞれ独立した点字キーを一度に押して書きます。 ところが、点字一筆式入力は、書きたい点の上を指を滑らせて、書きたい点字の形にして指を離すとそこで、点字の63通りのすべての形が書けるのです。 ですから「点字一筆式」です。つまり、仮名、英字、数字もなのです。 「点字を一筆で書く。」これは、タッチパネルだからこそできることなのです。 押しボタンがないから視覚障害者の文字入力は困難であるという先入観に対する逆転の発想です。



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(参考)
http://ubq-brl.at.webry.info/201105/article_2.html



・ IPPITSUの文字入力方法は私と共同研究者の牛田啓太氏(群馬工業高等専門学校)、阿佐見聡士氏(筑波大学)による開発です。まだ、研究途上ですので、実用にはしていません。それで、今回の展示とデモにおいて、早く実用にして欲しいという大変にうれしい反応がありました。




なお、上記、「ヘレンケラーホン」および、IPPITSUについて、ここに紹介した開発者以外が開発したという報道が一部ありましたが、それは明らかな間違いです。ここに正しい開発者名を明記させていただきました。