長谷川貞夫の視覚障害とユビキタス情報バリアフリー

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zoom RSS 東京都内に40キロメートルの断崖絶壁:ホームドアがないということ

<<   作成日時 : 2016/08/24 20:13  

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【視覚障害者の駅ホーム上での安全対策】



 ホームドアさえあれば、何の問題も起こりませんでした。

 先日の東京メトロ青山1丁目駅での盲導犬を連れた男性のホームからの転落事故に関連して、視覚障害者のホーム上での安全について書かせていただきます。


 視覚障害者は、私のように、盲導犬を利用していない方が圧倒的に多いです。

 ですから、盲導犬を利用しない歩き方も大切だと考えます。

 それから、私は、盲導犬の経験がないので、それには触れません。

 今回の事故で、マスコミなどが従来以上に大きく取り上げるのは、盲導犬が、障害者を助けるけなげな動物として、一種の社会的アイドル化しているためかと思います。これを、取り上げることで、マスコミの視聴者は関心を寄せるかもしれませ。

 それはそれで結構なことです。

 しかし、もっと本質的なことに注目すべきと考えます。



●ホームドアがないことは、都内だけで40キロメートルの危険な断崖絶壁があるということ。

 統計を見れば、もっと正確に書けます。

 しかし、そのような時間がありません。

 都内に鉄道の駅が千ぐらいあると聞きました。

 全国では、この10倍の1万駅に近いかと思います。

 都内で、10両編成ぐらいの電車ですと、平均の長さは、おおよそ200メートル以上です。

 これらが停止するホームは、それ以上の長さです。

 電車は、上りと下りがありますから、合わせて、ホームの長さは、400メートル以上です。

 1駅に何本も路線がある場合がありますから、これ以上のことは明らかです。

 少なく計算しても、千駅で400メートルですから、合計の長さは40キロメートルです。

 ホームから足を外して落ちると、ケガをするか、命を落とします。

 これは、この東京都内にある危険極まりない40キロメートルの断崖絶壁だと言わざるを得ません。

 71年前の終戦後20年ぐらいは、都内にも、道の両側に「ドブ」と呼ばれる側溝がありました。

 それは、昭和40年代ぐらいまでに、段々と少なくなりました。

 何らかの道路整備の規則があったのでしょう。

 ドフの幅は、約30センチぐらいから、80センチで、水面までの高さが1メートルぐらいのものもありました。 

 私は、高校生の頃、弱視でしたが、盲学校に在学していました。

 全盲の同級生が、文京区の護国寺近くで、この大きな側溝に落ち、頭からズブヌレになって、登校して来たことがありました。

 側溝ですから、ケガはしても、命を落とすことはなかったです。

 ところが、駅ホームの場合は、ケガをするか、命を落とすのですから、これは明らかに断崖絶壁に相当します。

 山奥の断崖絶壁なら、このぎりぎりのところに、人は立ちません。



▲鉄道とホームドア

 都営地下鉄三田線で、全駅にホームドア(ホームゲート)の設置を完了したのが、2000年(平成12年) 、8月10日 で、全線でATO運転を開始しました。

 その後に、既存の鉄道にも、少しずつホームドアが付くようになりました。

 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスは、開業当初からホームドアがありました。

 東京メトロ副都心線も、開通と同時でした。

 山手線は、大規模改修を予定している5駅(東京、新橋、浜松町、渋谷、新宿駅)などを残して、一応24駅にホームドアが付きました。

 しかし、JRと他の私鉄でホームドアの設置数は、全体で数%とかで、まだまだ普及していないことは確かです。

 全国の、ほぼ1万駅では、絶壁の長さは、百キロメートル以上になるかもしれません。

 ホームドアは、視覚障害者のためだけに敷設するものではありません。

 ですから、人口の圧倒的に多い視覚のある健常者などの方が転落事故数はずっと多いかと思います。

 ただ、視覚障害者だけをとると、転落経験者の率は、半数とか、数割とかで100倍ぐらい高いでしょう。

 ちなみに、皆さまの身近な健常者などで、ホームから落ちた方はいますか?

 私は、全盲になってから、まだ、駅ホームに点字ブロックが敷設される前に4回転落しました。

 30年以上前のことです。

 2回は、救急車で運ばれました。

 他の2回は、やっと自力で帰宅しました。

 ですが、点字ブロックが敷設されてからは、一度も転落していません。

 しかし、ひやっとしたことは何度もあります。



・ ホームドアのあるホームと、ないホームでの歩行時の精神的緊張感は大きく違います。ないホームでは、全身の神経を集中して歩きます。何しろ、命が掛かっているのですから。この負担は大きいです。

・ この精神的緊張を、いつまでも強いてはいけません。

・ 高齢になってからは、ガイドヘルパー(同行援護者)さんに頼ります。この同行援護制度は、とてもよい制度です。

・ しかし、住んでいる自治体により、同行援護を頼める時間数は、極端に違います。駅だけでなく、視覚障害者の安全な歩行上、これが問題です。




●私の点字ブロックがあるホーム上での歩き方。


 もちろん、鉄道の全駅にホームドアが敷設されることを希望します。
 ししかし、そう短期間で敷設されるとは想像しにくいです。
 そこで、自分なりの工夫を書いてみます。
 視覚障害者と、歩行訓練士などの参考になれば幸いです。

・まず、靴の選び方から。

 これは、ホームを歩く時だけに限りません。
 車の運転をする人が、もし、メガネを必要とするなら、運転時は、必ず適したメガネを掛けるでしょう。
 また、まぶしい時は、見やすいように、サングラスなどを利用します。

 視覚障害者の、このメガネやサングラスに当たるものが、靴です。靴底で路面の様子がよく見えます。

 私は、靴の底が最も薄に、いわゆる運動靴でブロックの上を歩いたことがあります。ブロックにある突起で足の裏が痛いぐらいでした。

 運動靴で、どこえでも外出できる訳ではありません。
 この場合、革靴でも、底が比較的に薄い靴と、厚くて硬くて、ブロックの突起が、全く分からないものもあります。極端に言えば、目かくしをして、車を運転するようなものかもしれません。

 視覚障害者でも、この靴底によるブロックの分かりやすさに気がついていない方もあるかと思います。
 もし、気がついていても、この靴底の薄い靴は、一般に、靴屋さんには少ないです。ですから、買いにくいです。

・そこで大事なことは、日本盲人会連合、日本点字図書館などのの生活用具を扱う部所で、どの商品がよいかを検討し、「視覚障害者安全靴」として、男子用、女子用を、白杖のように各種そろえてもらえればと思います。新しい商品開発です。




▲ホームの点字ブロックに沿う直線に近い歩き方。


・私は、 ホームの端に沿うブロック上で、線路側い遠いブロックの端に片足を置きます。
 もう一方の足は、ブロックのないコンクリ面に置きます。

・ ブロック瓢に両足を置かない理由。

 ブロックの幅は、約30センチです。 視覚障害者は、この上を、どうしても蛇行して歩くことになりますき。もし、片足がブロックから離れると、両側がブロックの上になるように歩行を修正します。
 もし、反対側の足が外れても、同じように修正します。
  これで、ブロックの30センチと、外れた片足ずつを合わせると、蛇行の幅が、約60センチぐらいになるかと思います。
 ところが、ブロックの線路から遠いブロックの端だけに片足を置くと、ほぼ直線に歩けて、蛇行の幅は、約30センチぐらいに減るかと思います。

・ブロックで、線路に遠い端に片足を置くと、もう一つ便利なこと。

・点字ブロックは、階段の入口と往復に連絡しています。
 この場合、階段からのブロックは、線路に沿うブロックと直交しています。
 それで、コンクリ側の足で、この直交する階段からのブロックを見つけることができるので、たやすく階段に行けます。
 階段から、線路に沿うブロックへ行くのも、同じことになります。

 ところが、両足をブロックに載せていると、この階段からのブロックが分かりにくいのです。

・ 以上、長くなりましたが、視覚障害者、ボランティアの方、歩行訓練士、
視覚障害者便利グッズ販売者などの参考になれば幸いです。





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