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zoom RSS 「IC CARD WORLD 2009」における「人体通信」と視覚障害者

<<   作成日時 : 2009/03/09 11:11   >>

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 3月6日(金)に「IC CARD WORLD 2009 」に行ってきました。
 全体として、IT業界は、十年一昔どころか、「毎年が一昔」ぐらいに感じます。
 10年前の1998年、99年ごろは、やっとICカード利用の実証実験が始まった時代でした。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/75563608/

 今回、私にとって特に印象深かったのは、DNP(大日本印刷)のブースで、「人体通信認証IDゲートシステム」を体験したことでした。



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 これは、『ICカードの認証データを「人体」を通じて送受信することで、ポケットからICカードを取り出すことなく認証が行える』というデモを改札ゲートの模型を使ってしていました。
 会場の説明パネルによると、『人体通信とは体表面の静電気層に信号を与えることでデータ通信を行う通信方式』だそうです。


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 人体通信モジュールから電気信号が出て、人体(誘電体)の静電気層(体表面から数センチ)に流れることにより、送受信ができるのだそうです。


●具体的には、
 胸に入れる手帳くらいの大きさの通信装置(*)にICカードを差し込んで、それを紐で首からぶら下げてゲートの手前の床にある読み取り装置の上に立つと、カードをリーダー部分にかざさなくても、人体からの信号を受信して
ゲートが開くというものです。

(*)
ICカードのリーダー・ライターと人体通信用の通信モジュール、バッテリーを一つの筐体に収めたもの


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 デモですから首からカードを下げましたが、実際には、洋服のポケットなど、どこかにカードがあれば、服の一部や手に持っているカバンなどを足の下にあるリーダーが感じればそれでよいのだそうです。
 このシステムは、まだ試作のようで、製品化は未定だそうです。



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 これと非常に似た改札口の試作のゲートを2001年ごろに体験した覚えがあります。
 それは、JR東日本のICカードSuicaを前提とした実用システムでした。
 その時との違いは、ICカードをリーダーの面にタッチしたり、近づけたりするのでなく、今回のものは、人体のどこかにカードがあれば、人体がリーダーに軽く接触するかごく接近するだけでデータの送受信ができるとのことです。
 10年前を思い出すと、鉄道利用において、プリペードカードやICカード以前は、鉄道を利用するのには、まず駅で乗車券自動販売機を探し、目的駅までの運賃を確かめて、該当するボタンを押して乗車券を手にして、やっと改札を通ることができました。その後にプリペイド式のカード時代がありました。
 そして、そのプリペードカード時代も終わって、すっかりICカード時代になりました。
 そのICカード乗車券は、携帯電話に組み込まれたり、乗車券としてだけでなく、買物などの支払いもできる複合カードになりました。

 以下は夢のような話かもしれませんが、今回の人体通信を体験して、視覚障害者との係わりについて考えてみました。

 もし、これが鉄道の乗車券に応用されれば、改札口で視覚障害者が改札のタッチ面などを探す必要ががなくなります。通れる通路を通れば、自動的に乗車賃を払うことができるのです。
 複号のカードとしては、そのICを持っている人の属性を登録しておけば、要所要所でその人に適した案内をすることもできます。
 例えば、トイレの位置などです。もし、誘導ブロックにセンサーが装備されていれば、靴からのデータ送受信で、トイレに関係する案内をしてくれるようになります。
 また、鉄道利用でなくても、道路を歩いていて、地面に埋められているセンサーで、横断歩道の位置を案内してくれたり、横断歩道の前に立つと、信号を案内してくれたり、振動で横断歩道の真ん中を歩くように誘導してくれるかもしれません。
 これらは、まさにユビキタス時代のことです。

 視覚障害者として、これからのユビキタス時代の進歩に期待したいと思います。

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